<皮ジャン反抗族 概要>
1978年東映セントラルフィルム製作、東映配給、長谷川安春監督によるバイオレンス映画。主演の舘ひろしは、同作が初の単独主演となった。キャッチコピーは「暴走する若者たちの理由なき挑戦」。同時上映は松田優作主演の「殺人遊戯」。
目的もなく大都会に群がる若者たちのやり場のない怒りと憎しみ、欲望を、70年代という時代背景の中に描き出した意欲作。優しくて荒々しい、硬派な不良を舘ひろしが好演。
ーーーー
私が生まれ育った神奈川県川崎市という場所は、全国屈指の治安が悪い町として知られていた。幼少期はよくわからなかったが、中学生くらいになると我が街の荒れっぷりを肌で感じることができた。
何せ、校舎の屋上から紙パックの牛乳が落ちてくるのである。
下を歩く生徒に向けて屋上から牛乳ダーツを楽しんでいるのは、「ろくでなしBLUES」ヨロシクのリーゼントパーマを施した低脳集団達。
さらに、母校の窓ガラスの80%は割れていたと記憶している。
そのまたさらに、私が在籍していた野球部の備品の中で、稀に武器と化すバイオレンスなアイテム「金属バット」がたまに数本部室から盗まれるという事件が起きていたりもしたものだ。
どノーマルな私にとって、そんな阿呆と共に過ごす中学三年間は、本当にくだらない時間だったと記憶しているし、いわゆる”不良”が余計嫌いになってしまった。
そんな私が今回チョイスしたのが不良が主役のバイオレンス・ムービー『皮ジャン反抗族』である。
無論、初見だ。
このブログのネタとして観てみようかなと。
それに主演が舘ひろしという点も大きい。
何せあの『セクシー鷹山』を演じた氏の初主演映画である。
一度観ても損はあるまいと。
結果、時間が勿体なかったなぁと思ったのですが。。。
ーーーー
主人公は、自動車工場に住み込みで働く若者。
バイクとディスコ通いを趣味とするものの、他人と関わるのが滅法苦手な硬派。
それなのに、女性を見ると盛りがついてサルと化す、わかりやすいティーンエイジャーである。
簡単に書こう。
舘ひろし演じるそのヤンキーが、様々なトラブルに巻き込まれ、最終的には”勘違い”で殺されて終了。
2時間かけて語られてきた数々のエピソードは一体何の意味があったのか?
と、驚きのあまりエンドロールでしばし固まってしまったことは言うまでもない。
結局、この映画は何を表現したかったのかが全くわからず、稲中のギャグで使われていたタイトルというだけで観てしまった方は、本当に後悔しているのだろうなと。
これが本当の時間泥棒。
テーマに据えた「若者の理由なき挑戦」というより「理由なき物語」だったな。
しかし「皮ジャン」って書く? 「革ジャン」じゃないのか?
って思った方、自分以外にもいると思うのだがどうだろう。
という訳で、そんな同作品の気になるおすすめ度は・・・
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
星1つということで。
スーパーでレジの店員に白いバラを渡す客なんかいないって。。。