映画と僕。

暇さえあれば映画ばかり観ているノーフューチャーな中年男性による簡易レビューです。好みが偏っているので、できるだけ色々な作品のレビューを書こうと思っていますが、中々難しいかもしれません。

★★★☆☆☆☆☆☆☆ ネバーエンディング・ストーリー(1984/ドイツ・アメリカ)

ネバーエンディング・ストーリー 概要>

西ドイツとアメリカで共同制作されたファンタジー作品で、公開は1984年。ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を原作とし、ストーリーはもちろん、キャッチーなテーマソングと映像美で日本でも人気を博した。いじめられっ子の少年バスチアンと、彼が読む本の中の物語が交差。バスチアンが手にした本には、神秘的なファンタジーの世界「ファンタジア」を舞台に、王女の命を救うため、少年アトレイユが冒険する様が書かれている。

 

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指輪物語ハリー・ポッター等、世の子供を魅了したファンタジー作品の礎とも言うべきこの物語は、ミヒャエル・エンデによる同名の人気作品を満を持して映画化し、期待通りに世界中で大ヒットを記録している。

 

かく言うこの私も、小学校低学年の頃、母に連れられて渋谷の映画館で鑑賞しているのである。

正直、売れ線を意識しまくったテーマ曲と、ファルコンの顔が怖すぎるという印象しか残っていないが、小学校高学年になってからこの原作を読んで驚愕したのを鮮明に覚えている。

 

足りないのだ。

 

出てくるキャラや描写はもちろんだが、この映画は「はてしない物語」の半分も語られていないのである。故に終わり方も原作とは全く異なっている。

 

いやこれ、本当にいいの? と思ったが、やはり原作者はこの映画に相当憤慨していたようで、作品を汚されたといった意味合いの罵声を吐いたそうな。そりゃそうだよな。話の途中でブツ切られているのだから、怒るのもわかる。

 

しかしながらこの映画、制作費が相当高かったようで、特殊効果や映像美といった部分では非常に頑張っているのがわかる。ヒットぶりを見る限り、おそらく制作費は十二分に回収できていると思われるが、原作のファンからすれば冒涜された気になってもおかしくはないだろうと。ハリー・ポッター指輪物語(コチラは結構批判が出たが・・・)は優秀だったと言わざるを得ない。

 

どの程度中途半端なのか? 映画を観た方ならわかると思うが、石の魔人やカタツムリに乗った紳士、さらにはコウモリ男の存在って何の意味があったのだろうか・・・?と首を傾げた方も多いでしょう。主要キャラだと思いきや、最初と最後にチョロっと登場するだけという粗末な扱われ方をされているのですが、原作ではもっといっぱい登場します。荒い。本当に荒いです。

 

AOR調の優しくて美しいテーマソングで誤魔化しても無駄だ。

全然ネバーエンディングじゃないし。。。

 

ちなみに、ファルコンが飛んでいく様を背後から映しているショットは、宇宙刑事ギャバンがサイバリアン(赤いサイドカー)に乗って異世界へ行く様にそっくりなのが笑えた。小生は韓国焼酎を飲みながら、腹を抱えて笑いながら観てしまった。

 

色々と不満を書いてしまったが、きっと子供にとっては印象深い作品なのかなと思う。ファルコンに乗って大空を駆け巡りたいなんて空想を描く子もいるだろうし、ファンタジー感溢れる世界を冒険する様などは、男の子の好奇心をくすぐりまくるのではなかろうかとも思う。何を隠そうこの私も、アトレイユのロン毛っぷりを見て、大きくなったら僕も髪を伸ばそうなんて思ったものだった。今でもロン毛なのはそのせいか? と聞かれたら、単に髪を切る金がないからだと言っておこう。事実だ。

 

で、肝心な評価なのですが、原作ありきの作品と考えると微妙だなと。原作は大人が読んでも面白いので、できれば原作に忠実な形で撮り直してくれないかなと思う。無論、バスティアンはキャッチャーライクな少年をキャスティングしてね。さらに、りんごじゃなくてドリトスのパーティ・パックとケンタッキーフライドチキンをガツ食いしながら、フィギュアだらけの寝室で寝転がりながら、古本屋からパクった「はてしない物語」を読んでいたら満点だな。おっと、ペプシ・コーラも欠かせない。

 

しかし、本についている紋章とアトレイユが首から下げている紋章の意味、映画を観ただけじゃわからないよなぁ。。本当に雑な・・・・。

 

という訳で、そんな同作品の気になるおすすめ度は・・・

 

★★★☆☆☆☆☆☆☆

 

星3つということで。

もっと原作に忠実な形で映画化してほしかった。。。